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2024年12月9日、エルサレムで記者会見するイスラエルのネタニヤフ首相。代表撮影=AP

 ポーランド政府は、27日に開かれるアウシュビッツ強制収容所の解放から80年を記念する式典に「イスラエルの指導者が安全に参加できるようにする」と発表した。ロイター通信によると、トゥスク首相は、パレスチナ自治区ガザでの戦闘をめぐり、国際刑事裁判所(ICC)が戦争犯罪容疑などで逮捕状を出したイスラエルのネタニヤフ首相が参加しても拘束しないと説明した。

 ナチス・ドイツが第2次大戦中にポーランド南部に設置したアウシュビッツ強制収容所は1945年1月27日に解放された。解放80年の式典にはドイツのシュタインマイヤー大統領らが出席する予定。ネタニヤフ首相が参加するかどうかは不明だが、過去の式典には参加したことがある。

 ICC加盟国のポーランドは、ICCの捜査や訴追に協力する義務を負うが、政府は9日の発表で、ナチスによるユダヤ人の大量虐殺(ホロコースト)の追悼は「国際社会全体の道徳的、法的な義務だ」として、特別な対応をとることを決めた。ただ、ネタニヤフ首相が出席しても拘束しない場合、他のICC加盟国から批判を受ける可能性もある。

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